<森繁さん震災詩>書の作品に 教え子亡くした神戸の書家(毎日新聞)

 我を育てし兵庫の里よ、友よ−−。俳優の故・森繁久弥さんが阪神大震災(95年1月)直後、地元紙に寄せた詩を題材に、神戸市須磨区の書家、小阪美鈴さんが作品を制作した。小阪さんは震災で教え子を亡くしたが、森繁さんの詩に何度も励まされたという。

 9日には、森繁さんの次男建(たつる)さん(67)が神戸を訪れて作品を鑑賞、「震災に心を痛めた父の気持ちを見事に表現してくれた」と語った。

 震災では、書道教室で教えていた小学2年女児が倒壊家屋の下敷きになり亡くなった。上達すると屈託のない笑顔で喜ぶ子どもだった。命のはかなさを思い、ふさぎ込んだ。

 数日後、少年時代を兵庫県西宮市で過ごした森繁さんの詩が、神戸新聞に掲載された。

 「我を育てし兵庫の里よ、友よ/(中略)紅梅のこの赤の そら怖(おそ)ろしげな/腕さすり 頬(ほお)つねる 昨日今日/兄等の無事を どう祈るや その術(すべ)もなき/雲流る 六甲よ」

 「深い悲しみと慈愛に満ちたメッセージだ」と受け止めた。何度も読み返し、立ち直るきっかけとなった。

 何度か作品にしようと考えたが「まだ未熟」と思いとどまった。昨年11月、森繁さんの訃報(ふほう)に接し、制作を決意。建さんからも「父も光栄だと思う」と快諾を受けた。無心で筆を握り、約100枚書き直し、全紙(縦約1.4メートル、横70センチ)など5枚を使って完成させた。作品を見た建さんは「素晴らしい。天国にいる父も間違いなく喜んでいる」と語った。

 建さんによると、森繁さんは震災当時、新聞やテレビを食い入るように見て、被災地の友人のことを心配していたという。小阪さんは「被災者は今も心の傷が癒えないが、たくましく生きている。震災を風化させないため、書家として表現し続けたい」と話した。

 作品は神戸市中央区西町の三菱UFJ信託銀行神戸ビルショーウインドーで、2月8日まで展示する。【重石岳史】

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